脂質異常症の治療は生活習慣の改善が基本になり、例え内服薬で数値が改善しても、適度な運動や食生活の見直しを継続して取り組んでいく必要があります。
・運動に関しては有酸素運動(早歩き、水泳、水中歩行、社交ダンス、サイクリングなど)の効果が高いとされており、1日30分以上の有酸素運動が推奨されています。
食事に関しては過食を控えた1日3回のバランスの取れた規則正しい食事を心がけ、炭水化物や脂質の摂取を抑え、魚類・野菜・果物・海藻類の摂取を増やすといった食事が推奨されています。
生活習慣の改善のみでは十分な効果が得られない場合は薬物治療を考慮します。
使用される主な薬はスタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、フィブラート系薬、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬、プロブコール、陰イオン交換樹脂、ニコチン酸系薬、多価不飽和脂肪酸など多種類に及びます。これらの中で、個々の病態に合わせ、薬の作用機序・値段・副作用・1日の内服回数などを考慮し適切な薬を処方いたします。
漫然と同じ薬を処方し続けるような治療は当院では行いません。必要なタイミングで適宜採血検査を行い、副作用のチェックは当然のこと、脂質項目の数値をチェックします。生活習慣の改善で内服薬を減らすことが可能であれば減薬し、内服薬がない状況でも脂質異常症を認めない状態を目指していきます。